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『くものすおやぶん とりものちょう』(絵本)

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著者:秋山 あゆ子
出版社:福音館書店(こどものとも傑作集)
出版年:2005年
出版社書籍案内ページ:https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=1001

評者:開田紗妃(非会員)


 私は、今、中学一年生です。もうすぐ二年生に進学します。今回お母さんから、「本の紹介をしてみない?」と声をかけてもらいました。簡単に、「いいよ」と返事しましたが、他の人の紹介された文章を読むと、私にはこんな文章を書けないと思い、お母さんに、「私には無理だよ」と伝えました。「元保育園児として、自分の素直な感覚で書けばいいんだよ」とお母さんに言われました。難しいことは書けませんが、素直な自分の思いを書いて、絵本の紹介をしたいと思います。

 私は、0歳(3ヶ月半)から保育園に入りました。6年間の保育園生活でたくさんの本に出会いました。元保育園児という立場から好きだった絵本を紹介します。4歳児クラス(ちゅうりっぷ組)の時の絵本です。「くものすおやぶんとりものちょう」という本です。

 春爛漫のむしのまちに、ありがた屋というお菓子屋さんに盗人の隠れ羽から予告状が届きました。ありがた屋で働くアリたちは、困ってしまって、蜘蛛の巣親分とはえとりのぴょんきちに助けを求めました。蜘蛛の巣親分はあらかじめ盗まれないように対策はしていましたが、お菓子のある蔵に簡単に隠れ羽に侵入されてしまいました。蜘蛛の巣親分達が、蔵の中に入ると、誰もいないのにお菓子が次々と大きなまゆのなかに入れられていました。

 果たして隠れ羽の正体は?という内容です。

 お母さんやお父さんが読んでくれたときの江戸っ子のような口調が面白く、絵に上手に紛れ込んでいる隠れ羽探しが楽しかったので、寝る前によく読んでもらっていました。いつの間にか弟や妹も気に入って、私が「読んで!」と言わなくても、先に、「読んで!」と言っていました。

 この蜘蛛の巣親分には、シリーズがありました。先日、妹が、「くものすおやぶんの他の本はないの?」とお母さんに聞いて、もう一つシリーズがあることがわかり、早速ネットで買ってもらっていました。

 そんなに長い絵本ではないですし、絵に紛れ込んだ隠れ羽を探すのも楽しいので、小さい保育園の子にもおすすめです。うちにあるこの絵本はもうボロボロですが、それだけたくさん読んだおすすめの本です。




開田紗妃の母(会員)

 この度、娘にブックレビューを頼みました。意図としては、難しい!感じのブックレビューではなく、気軽に目を通してもらって、おっ!この本、図書館で借りてみようかなと他の保護者の皆さんに思ってもらえたらなぁというものです。

 実は、この本は毎月保育園に届く絵本の一冊でした。当時忙しくて、土日は図書館や本屋さんに行く気力体力がなかった私は、子ども達への罪滅ぼしをかねて&このタイプの定期的に届く絵本は、本屋さんで買うよりも安いこともあり、4月に、定期購入を申し込みました。

 毎月の配達日には、先生が、子どものリュックに絵本を入れてくれるのです。この絵本をいただいた時は、私自身は全く興味がなく、今月は、はずれかな?なんて思っていたら、まぁ面白い!読み手の私も、普段はバリバリの大阪弁なのですが、このときばかりは江戸っ子になりきって、読みます。普段大阪弁の私が江戸っ子風に話すのが面白かったのか、子ども達はめちゃくちゃ楽しんでくれました。毎夜毎夜の「読んで!」攻撃に、時に、寝たふりをして交わそうかと思って取り組みましたが、だめでした。。。

 たまには知らない絵本でも読んでみたいなぁと思われる親子におすすめです。

 きっとみなさんハマることと思います!ぜひ江戸っ子になりきってください。

 

 


【評者紹介】

開田紗妃(会員のお子様/中学2年生)