子育てコラム Column about Child-rearing » »タイトル一覧へ戻る



保育のクロス・ロード 2

梅崎高行/細川美幸 往復書簡

掲載:2013年9月15日




 幼稚園開催となった2013年大会も無事終了し、この記事を書いています。窓の外に目をやると、激しく雨が降っています。蒸し暑く感じられますが、次第に秋らしくなっていくのでしょう。この時期が、子どもにとって実りある'学びの季節'となるためには、理事長講演にもあったとおり待つことが大切です。しかし、なかなか難しいですね。今回は、そんなクロスロードを考えてみたいと思います。

3歳児28人クラスの中のマイペースな5人は、わざとそうしているのではないかと疑われるほど行動が遅い。その年度も半年を過ぎ、その度に他の子どもを待たせてきた。保育士主導で厳しく声かけをするように変えていく?
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(2013年度K市主任研修会で寄せられた保育のジレンマより着想)

梅崎  さあ、どうしたものでしょう?細川さん、思うところをお聞かせくださいますか。


細川  「わざとそうしているのでは」というところが人間らしいな、と思いました。私たちは、見える事実を意味づけしたくなります。そのことによって,ちょっとこちらが楽になることがあるようです。ちょうど私は、「愛情不足」という言葉への疑問を抱き始めていたところでした。子どもや保護者が生きやすくなるよう、支援の方向が見えるような意味づけを、日々模索中です。何をして'待つ'のか。具体的な観察や、仕事仲間や当事者との対話をしながら、私は待ちたいです。


梅崎  見える事実を意味づけて楽になりたい。ああ、そんな気持ちに私も覚えがあります。いっそ子どもに聞いて(ねぇ、わざとそうしてるでしょ。なんで?)、どうしたらいいか教えてもらう! ときにそんな私でもありたいと思いました。最後に「愛情不足」という言葉への疑問とは。これは次回コラムへのフリ? ということで楽しみにしています。