日本子育て学会は,子育て経験のある保護者会員の参加がある点に最大の特徴がある,といって過言ではありません.

 2014年の座談会では,岡本依子先生(湘北短期大学)のご著書から子育てエピソードをお借りし,これを呼び水として,みんなでワイワイ「ああ,そういうことあるよね!」と子育てトークを繰り広げました.子育てのうれしさ,楽しさ,ときに大変さを共有し,懐かしみ,子どもの育ちを考える契機になることを願う企画です.

登壇者

会員1

日本子育て学会保護者会員

 

会員2

日本子育て学会保護者会員

 

会員3

日本子育て学会保護者会員

 

岡本依子

湘北短期大学
日本子育て学会編集委員

梅崎高行

甲南女子大学
日本子育て学会広報委員

持橋亜紀

大和すみれ幼稚園
日本子育て学会広報委員

呼び水エピソード出典

岡本依子・菅野幸恵・塚田-城みちる (2004). エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学 関係のなかで育つ子どもたち 新曜社
菅野幸恵・塚田みちる・岡本依子 (2010). エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て 命のリレーの心理学 新曜社


自己紹介

梅崎  おはようございます。

一同  おはようございます。

梅崎  今回は企画に賛同いただいて、お休みにもかかわらずお集まりいただいてありがとうございます。
 最初にお互いに自己紹介をしていただきたいと思いますけれども、岡本先生からがいいですね。

岡本  え、私から(笑)?はい。岡本依子です。仕事としては、湘北短期大学の保育学科で教員をしています。プライベートでは、上の子どもが今、3月だから微妙な時期なんですが、先週高校を卒業して次、大学生になります。下が中2でバスケ部です。この企画ですが、もともと私、子どもが保育園くらいまで育児日記的なものを連絡帳にずっと書き続けていて、かつ仕事上でこういうことをしているので、たまたまタウン誌のコラムを担当してほしいと言われて、そうやって、もともとはタウン誌に書いていたコラムを、新曜社の人に、じゃあ、本にしたら?とっていうことで出版させてもらいました。
 今回は、子育て学会の広報から何かコラムをと依頼ついでに座談会なんてちょっと言ってみたら、じゃあ、やりましょうって言ってもらったので。私、ママさんたちから、話聞かせてもらえたらなと思って来ました。よろしくお願いします。

一同  よろしくお願いします。

梅崎  はい、ありがとうございます。ちょっと今の座談会の流れ、補足しますと、ホームページご覧いただきますと、昨年度も座談会を開いています。その時は現場の保育者の方と保護者の方と、あとは支援をされてる方とに集まっていただいて子育てについて比較をしました。
 今回は、保護者会員がいることが特徴の学会でもあるので、保護者の方の話を聞きたいよねっていう気持ちと、岡本先生のアイデアとがうまく融合したといいますか、タイミングよくバチッと合ったということです。
 本番(の座談会)は今度の学会の大会でやるんですが、それの準備として、保護者会員でいらっしゃる皆さんにご協力いただいて、子育てについてそれ、あるよねみたいなエピソードで会を構成して、どんな風になるかをちょっと検討してみたいなっていうことで今日を迎えてます。
 ということで、私の自己紹介もしますと、梅崎といいます。よろしくお願いします。依子先生と同じで僕も保育士養成の大学に勤務していて、先ほど学会が今度、神戸であるって申し上げたんですけど、それはうちの学校で開催させていただきます。ぜひ、いらしてください。プライベートなことを私も申し上げますと、上が小学校1年生の女の子で、今日はダンスの発表会なんです。

岡本  パパ、いいんですか、ビデオ。

梅崎  そうなんですよ。何でお父さん、見に来てくれないのっていうことで、今日帰ったら大変なことに。

一同  (笑)

梅崎  下は今まだ2歳で、春から認定こども園にお世話になる男の子がいます。僕はずっとサッカーをしてきたので、サッカーさせたいんですけど、ちっともしそうにないので、ちょっとやきもきしてしてますけど。どうなることやら。

岡本  お姉ちゃんのほうは?

梅崎  お姉ちゃんはダンスが大好きで、サッカーは1日だけ行きましたね。1日で終わりましたけど。そんな感じです。今日、いろいろお話聞かせてください。お願いします。持橋先生もぜひ。

持橋  はい。広報委員をさせていただいてます、持橋亜紀といいます。よろしくお願いします。

一同  よろしくお願いします。

持橋  今、大和すみれ幼稚園という幼稚園の副園長をしております。どちらかというと、教務は主任がやっていますので、子どもに直接かかわるというよりは先生たちとのやり取りの中から子どもにかかわるという間接的なかたちで、子育てにかかわっております。
 プライベートなことでは、子どもが3人いまして、いちばん上がこの春から高2です。真ん中がこの前2分の1成人式を終えた、この春から小5。いちばん下が今度小3です。真ん中がサッカーをしてます。

梅崎  そうなんですか。

持橋  学校にあるクラブでしてますが、なぜか下は野球で。それぞれ違うんですね、やっぱり。ではよろしくお願いします。

梅崎  お願いします。じゃあ、次はどなたから?

会員1  大体、あいうえお順ですよねって、では自分から。

一同  (笑)

梅崎  じゃあ、会員1さんから。

会員1  会員1です。私は子どもは上が21、下が今度18になります。21の子は大学4年なので今度、就職だし、下の子は今度、大学受験をやんなきゃいけないっていう、ちょっとどうしようっていう状況で…。今、お題振られた幼児のことは、ほとんど忘れかけていて、先生みたいに記録をちゃんと取っていればよかったんだけれども、あるとき、いいやって捨てちゃった覚えがあって。

岡本  捨てちゃったんですか。

会員1  だから、多分そのとき、私、精神的におかしかったと思う。もう、これ終わりにしようっていうふうに、逡巡してたんですね、多分いろいろね。昔のこと思い出したりなんかして、難しいときで。何か、もういいかっていう気持ちになっちゃって、捨てちゃったんですよ。今思うと、本当もったいない。

岡本  もったいない。拾いに行きたい。

会員1  そう。本当に拾いに行きたいんですけど。(いま勤務している)保育園で、時々お手紙などで、親に何か言ったりするときに、ああ、あのノートがあれば、どんなに参考になっただろうって、今すごく思って残念なんです。そんなこんなで、自分の子どものことが思い出せないかもしれないので、皆様のお話を聞きたいなと思います。よろしくお願いいたします。

梅崎  よろしくお願いします。では、会員2さん。

会員2  会員2です。子育て学会自体も入ったばかりなのですが…、うち、子どもが次年度中3なんですけど。

岡本  そっか、うちと一緒か、中3だ。受験ですよね。

会員2  そうです。うちは6年間つながっているので、受験はないんですけど、やっぱり勉強はしなくってはいけないですけど。一人っ子なので、もう、べったりですね。主人も趣味でサッカーをやっていて、子どもは6歳まで全く興味なかったですけど、急に小学校1年生のときサッカーやるって言って、6年生までやりました。今は、吹奏楽やってます。

岡本  何の楽器なんですか。

会員2  トロンボーンです。

岡本  かっこいい。

会員2  地味ですよね。

会員1  地味じゃないと思う。

会員2  私もサッカーをやっていて、週に1回、水曜日に。

会員1  すごい、ママが。

岡本  ママサッカー?

会員1  ママサッカーっていうか、スクールに通ってます、地元サッカーチームの普及スクールで。

一同  へえー。

会員2  ママサッカーなんですけど、基本的には。でも女子サッカーのコーチがついてくれて、プラス今年度までは元Jリーガーのコーチがついていたので、すごいやりがいがあって、毎週楽しみに行ってました。
 子どもがもう中2なので、だいぶ子育てのエピソードから時間がたっているので、ちょっと、こうだったかな?っていうのがあります。ただ、そのとき仕事もしてなくて、ほかのママと話したりとか、ほかの子どもを見る機会が多かったので、エピソード自体は思い出せばお話しできるかもしれないです。

梅崎  よろしくお願いします。じゃあ、会員3さん。

会員3  会員3と申します。一人娘を育てています。私はすでに昨年大学を卒業いたしまして、今は社会人になりました。矢澤先生の思春期・青年期のプロジェクト研究会(注 保護者・支援者・研究者で構成される日本子育て学会の特色を活かすべく展開される研究会.詳細は学会ホームページをご参照ください)で自分の子育ての振り返りをさせていただいています。子育てがどうだったかなって、この2、3週間思い出していました。思い出せる部分と空白にしたいと思える部分があったり。今日、どんなことを話せるかなと考えながら、自分なりに楽しめるかなと思って参加させていただきます。本当にもう20年も前の話なので、恥ずかしいんですけどいろいろ聞いてください。

梅崎  ありがとうございます。

一同  よろしくお願いします。

エピソードを選ぶ

梅崎  リラックスして進められればと思うんですけど、そうなんです。皆さんおっしゃったみたいに、現在赤ちゃんの子育ての真っ最中の方みたいなイメージもあったんですが、まず、だんだん思春期とか、大きくなってきたお子さんとのかかわりを今、過ごされてる方と一緒に振り返るみたいなかたちの座談会をやってみたら、どうなるかなということもあって、今日迎えてますので。ここ2、3週間思い出していただいたということなので、ぜひ、いろいろ楽しいお話を聞かせていただけたらなと思います。はい。
 依子さんのご著書から、5個エピソードを選んでお送りしてるんです。そのうちのどの三つが話しやすいかっていうのをみんなで選んで、時間過ごしていきたいなと思います。改めて、お手元にあります?

一同 はい。

梅崎 1つは「や〜だぁ!!」という反抗期の話。2つ目が「みんなちがって……」という個性、気質の話ですね。3つ目が「足が冷たいじゃない!」という声かけがあったという子育て支援の話。それから4つ目が「もうすぐ1年生」という話。5つ目が「夜中の授乳にため息……」という育児不安とか子ども虐待とか、あと夫のかかわりみたいなことも、ここでは意図してるんですけど。この中からどの3つがいいかってのを、これからお聞きしたいので、少しお時間取りますので、目星をつけていただいていいですか。多数決でどれか3つを選びたいなと思います。

(間)

梅崎  自分が話しやすそうなやつ。はい、よろしいですか。3回手を挙げてください。「反抗期」が話しやすいんじゃないかという人。(手が挙がらない)あれ、意外。次、「みんなちがって」。

岡本  (3人とも挙手)ああ。

梅崎  じゃあ、これ決定ですね。次、「足が冷たいじゃない」。

岡本  (3人とも挙手)おお。

梅崎  じゃあ、「もうすぐ1年生」。(手が挙がらない)あれ。

一同  すごい。

岡本  面白い。

梅崎  「夜中の授乳にため息」ですか、じゃあ。(3人とも挙手)

会員1  すごいぴったり。

会員2  申し合わせたように。

(次回に続く)