2025年11月1日・2日に開催された第17回大会(開催校:同志社大学)について、広報委員会のメンバーによる参加レポートをお届けします。
レポートその1(レポーターS)




2025年11月1〜2日、京都の 日本子育て学会の第17回大会が、京都市の 同志社大学 今出川キャンパスで開催されました。大会のテーマは 「科学的な子育て支援と地域」。研究者だけでなく、子育て支援に関わる保育者、保護者、地域の関係者など、多様な立場の人々が集まり、子育てと地域、支援と実践を改めて考える貴重な機会となりました。また、大会にあわせて、子育てコミュニケータープライマリー資格 のための必修講座「子育て学概論」も公開講座として企画され、一般参加も可能でした。
子育てや保育は、これまで「経験」「感覚」「慣習」によって支えられてきた側面が大きい分野です。しかし、近年、心理学・社会福祉・地域福祉といった学問的知見やデータ分析の成果を活かして、「どのような支援が」「どのような家庭・地域」で効果的か、という “エビデンス(科学的根拠)” に基づいた子育て支援の必要性が高まっています。
今回の大会では、そのような観点から、子育て支援を研究と実践の両面で見直す機運が高まっており、家庭・保育現場・地域・行政など、多様な関係者が顔をつきあわせて議論を深める貴重な場となっていました。
秋の京都、そして歴史ある大学のキャンパスで行われたこの大会は、学術と実践、思いとデータ、地域と家庭――多くの要素が混ざり合った豊かな時間でした。
レポートその2(レポーターW)
きたる11月1,2日、2025年度の日本子育て学会第17回大会がひらかれました。私は一日目の後半部、そして二日目に参加させていただきました。
(一日目も早くから会場入りする予定でしたが、電車が熊と接触したため大幅の遅れがあり、惜しくも後半部からの参加となってしまいました。)
改めて大会準備に携わった皆様には感謝申し上げたいと思います。今回私は①「大会準備委員会基調プログラム 子育て環境日本一を目指す京都の総合的な取り組みを考える」(一日目:14:55-16:25)、②「大会準備委員会企画③シンポジウム 「京都府泣いてもかましまへんプロジェクト」子どもの泣きと周りのかかわりについて考える」(二日目:14:55-16:25)、③「大会準備委員会企画(2) 地域子ども家庭支援におけるソーシャルワーク」(二日目:13:10-14:40)に参加させていただきました。
①、②につきまして、京都府の子育て環境にまつわる現状や取り組みについてご講演いただきました。現在京都府では、子育て環境日本一を目指す一環として「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を進行中だそうです。
このプロジェクトについて、京都府は「公共の場で泣き始めた赤ちゃんを、懸命に泣き止ませようと焦るママの姿をきっかけに始まった取り組み」と説明しています。また、京都府はステッカーを配布しており、視覚化を通してぬくもりのある子育て環境の構築を目指しているとのことでした。
現状と課題から導き出された実践的であたたかい取り組みであり、ぜひ広まってほしいと思いました。具体的には京都府のHPにも記載されておりますので、どうぞご覧になってください。
ほかにも多くの講演があり、「地域子育て支援部門企画シンポジウム ”育ち”を支える”育ち”の願い~インクルーシブの視点より~」にも参加させていただきました。感想になってしまいますが、株式会社アネビーの横山氏が述べていた「アフォーダンス」の観点は、今後の保育の展開をさぐる一つの糸口であると感じました。本講演の中で、横山氏は園における遊具導入についての取り組みを紹介しておりました。横山氏は「子どもの行動を引き出す」ことを踏まえ、現場の観点から環境を考察し遊具の提案をしているとのことです。
この講演から、私が携わっている保育士養成も無関係ではないと感じました。保育士養成科目においては、模擬保育や手遊び・読み聞かせといった実践的な内容を取り入れた授業は多くあります。一方で、時間や場所といった制約上、実際に現場に足を運び遊具等の環境構成を考察する機会は限られていると痛感しました。保育士養成に携わっている身として、環境構成を深く学ぶ実践的な機会を、もっと取り入れていきたいと考えております。
環境(人的環境・物的環境・その他の制度的な環境も含む)は、相互に連関しております。互いに影響を与え合い、そこでよりよい力動が生まれ、はじめてよい保育環境になると思います。多くの気づきを与えてくださった諸先生方には改めて感謝申し上げたく思います。
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※この記事の中で「地域子育て支援部門企画シンポジウム ”育ち”を支える”育ち”の願い~インクルーシブの視点より~」を「大会準備委員会企画(2)シンポジウム 地域子ども家庭支援におけるソーシャルワーク」と記載しておりました。訂正してお詫び申し上げます(本文は2026/1/25訂正済みです)。
レポートその3(レポーターM)




私は大会2日目の対外組織連携委員会によるシンポジウム「子育てを社会に開く~地域の多世代・多職種による実践から~」に参加しました。
絵本の読み聞かせという活動を通して、シニア世代と子育て世代と子どもたちという3世代の交流を行っている、NPO法人りぷりんと・ネットワークの実践について話題提供がありました。
絵本の読み聞かせは、シニア世代が社会参加する手立てともなり、若い世代と交流することで子どもがいる家庭への理解や共感が進んだり、自身の役割を実感できたりするということです。また、子どもたちや子育て世代にとっては人の声で物語を聴く機会や、保護者や親せきなどの大人ではない多様な大人と接する機会を持つことが貴重な体験となり、孤立感を和らげることに寄与しているということでした。
どの世代にとっても、自身が生活している地域で受け入れられているという実感を持つことにつながる素晴らしい取り組みだと感じました。
また、大会準備委員会企画シンポジウム「京都府泣いてもかましまへんプロジェクト・子どもの泣きと周りのかかわりについて考える」では、エッセイスト紫原明子さんの呼びかけにより発足した「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」に賛同した京都府の取り組みが紹介されました。小さい子を連れての外出を応援するための京都府限定ステッカー「泣いてもかましまへん!」をはじめ、子育て環境日本一を目指す官民一体の取り組みが熱いと思いました。かかわることで、泣きへのとらえ方が変わっていくというお話も興味深く、賛同団体や自治体が広がるといいなと感じました。
今回の学会は京都御苑を隣りとした同志社大学今出川キャンパスで開催されましたが、伝統と歴史を感じさせる学び舎の雰囲気と、京都の街並みが美しく調和していて、秋の良い季節に参加することができたのは格別でした。学会終了後に建仁寺で行われていた夜間特別拝観プロジェクションマッピングに参加し、短期間ではありましたが京都を満喫できました。